セーラー服と機関銃から道を逸れる

とりあえず、通い慣れている串焼き屋で音声無しで見ていたのだが、あの珠玉の名場面である「カ・イ・カ・ン・ッ」は無かったように見受けた。結局、この作品は、監督・相米慎二、主演・薬師丸ひろ子、共演・渡瀬恒彦で成立できたものだというのが率直な感想である。主題歌についても、薬師丸ひろ子の爽快感や、透明さに比べて、長澤まさみ星泉)のはねちっこさというか甘ったるさが引っかかってしまいぴんとこなかった。堂本剛風に言えば「長澤まさみちゃんの唄は、一言で言うたら、次長課長とおなじで『ひつこい』ですわ」という感じである。TBSラジオの木曜に放送されている「ウンナンタイム」のレイティング企画の定番「名曲ソングSP」では、「セーラー服と機関銃」と言えば、やっぱり薬師丸ひろ子ということで、薬師丸ひろ子ver.をBGMに、映画版で一番盛り上がったのは渡瀬恒彦と風祭ゆきの激しい濡れ場のシーンだったというのを、コサキンよろしく「中二のエロ話」モードで盛り上がっていたのには笑ってしまった。結局、明石家さんまも、長澤まさみに萌えているのは、80年代のラブメイト10における1位の常連であった薬師丸ひろ子の幻想を彼女に抱いているだけなのかも知れない。