文藝別冊「トリビュート特集・ナンシー関」

思わず購入してしまったこの本。いとうせいこうえのきどいちろう町山広美リリー・フランキーといったナンシー関と関わってきた人達のコラムや対談。生前のナンシー関がした対談集etc.というのがメインである。こうしてみると結構ナンシー関って社交的というか、ただの引きこもり系なTVコラムニストではないなというのを感じさせる一冊である。しかし、ナンシー関が生きていたら、今のTV番組の閉塞状況をどう見ただろうか?「ジャイアント馬場のでかさ」に畏敬の念すら感じていた彼女は、ボブ・サップのでかさをどう感じたのだろうか?そして、木村拓哉のメッキがはがれつつある昨今の状況をどう言った切口で表現するか?etc.思いがとどまらない。明らかにナンシー関が亡くなった後、木村政雄が辞めてしまった吉本興業同様に、TV番組の衰弱に拍車がかかっているのは間違いない。もうこの状況は止められないかもしれない。