土、日のヨーロッパサッカー総括

この週のヨーロッパ各国のリーグを一言で表すのなら「大波乱」という言葉につきるだろう。
まずはプレミアリーグイングランド)。ついにアーセナルの無敗記録が「30」でストップしてしまったのだが、相手が「昔の名前で出ています(笑)」のエバートンというのにはたまげてしまった。ここ数年、リバプールとの「マージーサイドダービー」以外では良いところ無しのこのクラブ。試合は完全にアーセナルのペースでリュングベリが前半早々に得点をしたので4−0くらいの圧勝でエバートンのホーム・グッディソン・パークは「まつり」が起こるのではと思ったのだが(笑)...エバートンは数少ないチャンスをものにして2−1と逆転勝利。アーセナルイレブンの「いつかは追加点がとれるだろう」という気のゆるみもあったと思うのだが、ともかくロスタイム直後に強烈なミドルシュートを放った16歳の「ワンダーボーイ」ワイン・ローニーにつきると思う。劇的なゴール&イングランドのシンデレラボーイ誕生に、グッディソン・パークは良い意味での「おまつり騒ぎ(笑)」であった。その喧騒&興奮でカメラが揺れまくっていたのには本当に「ヨーロッパサッカーのすごみ」を改めて感じてしまった。いよいよサッカー界にも85年組が登場したわけである。日本のアイドルだけが85年生まれ最強説ではないことを肝に銘じておきたい(笑)。
そして、リーガエスパニョーラレアル・マドリードバルセロナ、ディポルティーボ・ラコルーニャ、さらにベティスまでも枕を並べて負けてしまった。しかも負けた相手がマドリードは1部に昇格したばかりのラシン・サンタンデールバルサバリャドリード、ディポルはビジャレアルベティスマジョルカと勝って当然な相手だとは思うのだが、マドリードバルサに関しては、リーガでは絶対的とも言えるホームディシジョンの魔の手にやられてしまったといえる。しかし、ファンというのは現金なものである。ロナウドに対して、2得点という鮮烈なデビューに歓喜していたのもつかの間、早速「戦犯扱い」されている。ちなみにベティスはホーム扱いの試合ではあったのだが、諸般の事情でホームスタジアムは使えず、同じセビリアにある「セビージャ」のスタジアムを使っての敗北である。同じ地域にあるチームは一種の「近親憎悪」というのが強烈なのだが、スタンドはガラガラでマジョルカが得点したときの方が、ベティスの惜しいシュートよりも歓声が起こったそうである。で、リーガは大混戦状態で、もう一つの注目チーム、レアル・ソシエダがトップを走っているが、どこが抜け出してもおかしくない状態である。そんな中、リーガの中継では「晒しもの」扱いにされている(笑)レクレアティーボ。いまだに1勝も出来ないでいる。金子達仁に罵られ、倉敷保雄には失笑扱いされているこのチーム。不憫でならないのである(苦笑)。
そんな中で、セリエAは順当な結果に終わっているのだが、ミランは本当にスペクタクルなサッカーを展開して見ていて楽しい試合をしている。もっとも、インテルユベントス、ASローマといったトップチームとはあたっていないので、これからが正念場であることは間違いない。ボランチ好きな私としては、U-21代表で軸となっているピルロというイタリアの今後をしょって立つかもしれないボランチに期待している。