昨日書いたhttp://d.hatena.ne.jp/REDDEVILS/20110504/p1は、若干のこじつけと「トラウマ」という表現は若干不適切かもしれないが、小〜中・高のとき見たTV番組の中には、本当に傷跡をくっきり残したものがある。ここでは「ドラマ」と「バラエティ」に分けて書きたい。
ボクの見た「トラウマ」TVドラマ
やはり、70年代後半〜80年代のTVドラマには「エロ」と「グロ」が無神経かつ当たり前のように散りばめられていた。とりわけテレビ朝日(朝日放送)系のドラマは本当にえげつなかった。これから紹介するのは全部ANBもしくはABCが製作した作品である。
土曜ワイド劇場 明智小五郎の美女シリーズ by天知茂
明智小五郎を演じた俳優はあまたいると思うが、私の中では明智小五郎=天知茂である。天知茂が亡くなって20年以上経った今でも、この印象は拭えない。あのニヒルさと明智小五郎のキャラクターがマッチングしたと思う。ともかく、この作品における女性の裸の妖艶かつ艶めかしさ、そして殺人シーンの猟奇的演出、正に江戸川乱歩の世界観をドストレートに描いていたと思う。そして、最後は犯人が哀れにそしてえげつなく自害するシーンは嫌なものを見てしまったなぁと幼い心に印象づけている。それとこの作品のテーマ音楽も強烈であった。
代表的なものを上げると
白髪鬼をモチーフにした「宝石の美女」における、田村高廣演じる「白髪鬼」のおどろおどろしい姿、ヒロインを演じた金沢碧の狂いっぷりは再放送で何度も放映され見るたびに嫌な気持ちになってしまう。
黒蜥蜴をモチーフにした「悪魔のような美女」における小川真由美の黒蜥蜴は、美輪明宏のそれ以上に印象深いし、彼女の持っているザ・妖艶とも言える存在感があまりにもえげつなかった。
「天使と悪魔の美女」は美保純がまだロマンポルノのニューヒロインとしてブレイクして一般作品に出だした頃で、そのムチムチ肉体にときめきを感じたが、この作品における高田美和と鰐淵晴子のレズビアンカップルの数多くのシーンは、それこそ、戦国自衛隊を見たときにコンバットRECが「ホモセクシャル・ありなんだ」と思ったように、「レズってリアルにあるんだ」と思ってしまったくらいである。鰐淵晴子のエキゾチックなルックスもさることながら、高田美和の豊満な肉体も強烈である。で、当時結婚していた片岡秀太郎とのあまりにも過度なプライベートでのいちゃつきぶりがワイドショーやバラエティで紹介され、それを見ていたのもあいまって傷跡を残したかもしれない。結局、片岡秀太郎の偏愛ぶりに高田美和は耐えきれなくなり別れてしまったのだが
ボクの見た「トラウマ」TVバラエティ
ザ・ガマン
平たく言えば、お笑いウルトラクイズ的無茶ぶり肉体の極限てき状況にどこまで耐えられるかを東京六大学の素人学生が競い合うという番組。これに似た番組だと上岡龍太郎・横山ノック・和田アキ子が司会をしていた「ラブ・アタック」も思い出す。ぶっちゃけワースト番組に選ばれやすい番組である。当然、リアクション芸オンパレードなのだが、この番組における私のトラウマは、それとは正反対の、ノーリアクションで本当に大丈夫かと思ってしまう無表情鉄面皮な参加者がいたのである。確か法政大学の学生で銀縁めがね、それこそ小林完吾を若くした風貌の人である。他の参加者が「寒いよ〜!!」「助けてくれ〜!」とお約束とも言えるリアクションをしている中、この人だけは何一言喋らず、それこそ無の境地で他の参加者が脱落するのを粛々と待つ。これが凄く不気味であった。当時のコーナー司会をやっていた三笑亭夢之助のハイテンションで素人いじりの極みとも言える姿とのコントラスト&そんなのーリアクションぶりに困惑する姿も印象に残っている。結局、最後は何も言わず、甘い誘惑(確か猛吹雪の中でパンツ一丁でガマンするという戦いで、温かい甘酒を飲む)に負けてしまったのだが、この人の存在は今でも印象に残っている。ちなみに、ザ・ガマンはシリーズ化され、川端健嗣がフジテレビ入社前に出演していたりもする。そして女性版ザ・ガマンも放送される予定だったが、あまりにもガマンしすぎて、新聞沙汰になるほどの大けがをする参加者が出てしまい放送中止、そのまま、このシリーズは自然消滅してしまった。
とんねるずのがちでシュートなセメントバトル
とんねるずこそ私にとってのキングオブ「トラウマTVバラエティ」な人である。夕ニャンのロッキーコーナーにおける「ワンフー」達とのじゃれ合いという名のバトルは、それこそフジテレビの開局特番やめちゃイケでのバラエティアーカイブス番組で見ていて懐かしく感じる人が多いかもしれない。ただし、それが度を超して、不穏な空気を漂わせてしまいとんでもない暗黒世界を作ってしまうことがある。
代表的なものとしては、ザ・ベストテンin静岡における観客席とのバトルは有名であり、これはある意味プロレス的スゥイング感もあり高揚感あるものとしても語られる内容である。ただし、ほんとうに、バラエティ番組とは思えない空気を漂わせていたシーンもある。
夕ニャンのロッキーコーナーでおなじみの「ワンフー」とのじゃれ合いに興じていた中、石橋貴明の衣装にケチャップを付けた奴が。石橋貴明は「おい、誰だケチャップつけたのは!ふざけるにもほどがあるぞ!」本気で怒鳴りつける。ワンフー達もこれはまずいと思ったのかシーンと静まりかえる。その中には「いくらなんでもあんなことやったら貴さん怒るに決まってるだろう。馬鹿野郎」と思っていたのは多数いると思う。当然ロッキーコーナーは中断でCMが入る。で、CM明け後のここからが凄いのである。これ以降とんねるずは出演せず、おニャン子と吉田照美だけで他のコーナーを進める。とんねるず、番組スタッフの一部(港浩一や笠井一二と言った主要スタッフ)は観客a.k.aワンフー達を目の前に、今回やったことがいかに悪いことか、そして、誰がこの悪行をやったかということをこんこんと説教する、それこそホームルームでの気まずいシチュエーション状況を同じスタジオでやっている。極力、そこでの音声やシーンは流さないようにするものの、直々石橋貴明が説教している姿やワンフー達が消沈気味な姿がカットinされる。このときの緊迫感は脂汗ものであった。結局放映時間内に結論&犯人はわからず、エンディングのカットは、説教している石橋貴明の姿を映して終わるという何とも後味の悪いものだった。で、その翌週のとんねるずのオールナイトニッポンで、このケチャップをつけた犯人はANNで招待されたはがき職人であったことが発覚。このときの石橋貴明の「しょうがねぇなぁ」という虚無感溢れるトークも強烈であった。確か笑っていいとものテレフォンショッキングでもこのことの顛末を話していた記憶がある。
夕ニャンで言えば、立見里歌&内海和子を「おいにぃ」といじっていた石橋貴明が、この2人にマジキレされてしまいその傍若無人ぶりに石橋貴明が逆ギレして放送をボイコットしたのも私の心に傷跡として残っている。これ以降、とんねるずとおニャン子クラブとの関係に深い溝が入り、衰退の一途をたどった一因になったかもしれない。
ガチだった頃の笑っていいとも
とりわけ、テレフォンショッキングにいきなり素人が入ってきて「喋らせてくれ!」と言って、スタッフに羽交い締めされながら強制退場させられ、観客が騒然、タモリも呆気にとられながら、進行がしどろもどろになったのがインパクトあった。後はたこ八郎や大屋政子が出演していた「エアロびっくり珍体操」のアヴァンギャルドっぷり、奥さんや当時付き合っていた愛人に電話してテレフォンショッキングに出演させようとしていた松本竜介と衝撃的なものがたくさんある。
参照
http://d.hatena.ne.jp/REDDEVILS/20050929/p1
http://d.hatena.ne.jp/REDDEVILS/20061121/p2