F1の生中継と競馬中継(スーパー競馬)の録画中継に関する世間とのズレ

確かに鈴鹿サーキットで開催される「日本GP」の生中継は初めてかもしれないが、日本で開催されたF1の生中継は、アイルトン・セナの日本ラストランとなったT1英田サーキットで開催された「94パシフィックGP」ですでに行っている。このときは、安藤優子がレース直前のセナにインタビューして、実況の古舘伊知郎フルスロットル体制で盛り上げようとしていたにも関わらず、スタート直前にセナはコースアウトでリタイアしてししまい、完全に尻すぼみに終わってしまった。そして、よもやその約1ヶ月後にイモラサーキットで夭折してしまうとは思ってもみなかった。ちなみに、そのときの競馬中継は録画かどうか忘れてしまったが、まだ、千葉国際駅伝が師走の第3日曜に開催されたとき、当時、有馬記念前週に行われていたG1レースのスプリンターズステークスがVTR放送された記憶は残っている。パッシングショットの世紀のスタート失敗や、ケイエスミラクル予後不良になったレースは、録画中継で、放送開始から、同じテーブルに潮哲也鈴木淑子大川慶次郎井崎脩五郎吉田均が並んで座っていたという、何とも珍しい光景を目の当たりにした記憶がある。それだからといって、今のフジテレビのスポーツ中継を肯定するつもりは毛頭無い。はっきり言えば、今宮純川井一仁をCSに隠遁させた時点でF1中継をやる資格はないし、大川慶次郎が急逝した時点で、競馬中継の落日は始まってしまったわけである。
今から思えば、大川慶次郎という人は融通の利く人であったような気がしてならない。例えば、明石家さんまビートたけし大川慶次郎がTVで対談したことは記憶があるが、井崎脩五郎とトークしているところは見たことがない。お笑い怪獣は大川慶次郎に「有馬記念オグリキャップ・ラストラン)の、『ライアン!』はあきまへんで」と突っ込み、それに「あれは、私のメジロライアンに対する思い入れが、思わず口に出てしまったんですよ。いいじゃないですか(笑)」とさらりとかわしたり、丁々発止のやりとりが面白かった。そして、ビートたけしとの話の中で「私は、万馬券を当てるより、3000円くらいの配当を常に当てることが出来るのが、競馬予想の真骨頂だと思うんですよ。それと、当たり前ですけど、自分が勝つと思う自信がある馬に本命を打っています。一部の予想家には信念をもたないで、行き当たりばったりで予想している人がいるんですが、私はそれが信じられませんね」と同じ番組に出ている「あの人」をちくりと皮肉ったのも、印象に残っている。それでいて、お茶目な部分も垣間見せる「競馬の神様」にはもう少し存命してほしかったと思う今日この頃である。