日曜日の秘密基地・日本プロ野球の未来を考える

ノリとしては、野球バカ(笑)伊集院光が興奮気味に熱く語るのを竹内香苗が引いてしまうと言う構図を思い浮かべていたのだが、伊集院光が想像以上にテンションが低かったのが印象的であった。放送中に伊集院光がつぶやいた「もう議論が出尽くしちゃった感がある」という半ばあきらめ感が漂っていたのかもしれない。実際、古田敦也ライブドア社長の話は、何度も放送されたことの繰り言であった。そのあきらめ感に拍車をかけてしまったのが、後半に出演した野村克也と井箟重義・元オリックス球団代表であった。野村克也の「もうシナリオが出来ているから、変わらんやろ」という相変わらずのぼやきは良しとして(笑)。井箟重義の「もう、細かい仕組みを変えて立ち直る状態ではない。経営の出来ない球団は一旦出て行ってもらって、8球団1リーグ制にして、まともな経営が出来る状態にして新規参入球団を入れる」という内容は、ある意味実感のこもった話であった。それと、俗に言う契約金や年俸における裏金や、球団単位で支払われているという裏報酬*1の生々しい話は、インタビュアー伊集院光も「はぁ〜」と嘆息するしか出来ないというくらい強烈な内容であった。
さて、個人的に言えば、伊集院光が途中でぽつんとつぶやいた「(ストをやった場合)野球無くても何とかなるわってことがみえてしまうと、そのまま無くなってしまうかも」というのが一番印象に残った。それと、リスナーのメールとして紹介された「パ・リーグの試合を見たのだが、守備の乱れや大味なゲーム内容にがっかりした。」という意見は、シンパシーを感じた。私自身、ここ数年の「野球全体における大味な試合化」現象は、自分自身にとっても野球観戦から距離を離しつつある最大の要因である。それは、パ・リーグだけではない。実際、伝統の一戦で野球の醍醐味を満喫させる内容と、船越雅史が煽っていたG-T戦もなんてことはない、二戦級の先発投手が打ち込まれ、中継ぎ陣がアップアップになったなれの果てである。10-9の試合なんて所詮こんなもんである。昨日の試合であっても、代打元木は曲者ぶりを発揮することなく、ただ、ぶんぶん振り回すだけで、原辰徳掛布雅之ですら失笑するお粗末ぶり。高校野球にしたって、桐生第一vs岡山理大附戦の15-9の試合も同様である。そして、最高峰と言われるMLBだって両チーム2桁得点の試合は結構ざらである。最近、野球の試合を見て面白かったと感じたのは、去年のア・リーグチャンピオンシップ第7戦のレッドソックスvsヤンキース戦における、ペドロ・マルチネスに四苦八苦しながらも、最後は劇的なさよなら勝ちを収めたヤンキース強力打線との手練手管の攻防くらいであろうか。その昔、広島と巨人がまだお互い投手王国だった時代の投手戦も印象に強い。特に槙原寛己vs大野豊広島市民球場での名勝負数え歌は、今でも記憶に残っているほどである。とりあえず、落ちるとこまで落ちないと、どうにもならないという状態なのは否めないであろう。
それと、野村克也が「プロ野球の楽しみは、勝ち負けだけやないでしょう。常人が考えられない、守備や走塁、バッティングを見せて、うならせるのが真のエンタテイメントやろ」と正論めいたことを言っていたが、それは幻想にすぎません(辛口)。アジアカップの試合に関する日本のマスコミュニケーションの報道ぶりを見れば、少なくとも「レベルの高い試合」よりも「レベルが低くても勧善懲悪な単純明快なストーリー」の方が視聴率は高くなると言うのが現状でありますから(苦笑)

*1:例:オールスター戦に出場した選手に球団単位で必要工費として出場金を支払う