ボクの見た「トラウマTV番組」番外編

町山智浩のような映画でトラウマ体験を評論文としてまとめられる力はないし、そんな経験も非常に少ないのだが、自分なりのトラウマ的な体験を水着ドラマ&バラエティというよく見ていたものを通して書いてきた。ただ、この二つには括れないもので、傷跡を残している映像があったことを思い出した。
それは1981年に起きた「深川通り魔殺人事件」のニュース映像である。私が小学校5年生の頃に起きた事件で、学校が阿役終わって帰ってきてつけたTVには、その凄惨な事件現場と犯人が通り魔殺人を行使した後に立てこもった中華料理店のアップ画像が映し出されていた。そして、夕方になって警察が突入し犯人が逮捕されたときのTシャツにブリーフ一丁、そして口には白いタオルが猿ぐつわのようにくわえられたその姿は異様であったし、目に焼き付いてしまった。それと、この翌日に放映された「やじうま新聞」では新聞詠み役はテレ朝アナウンサー時代の古舘伊知郎が担当しており、あまりにも凄惨な出来事という点と犠牲者の中に幼児が含まれていたことも相まって、古館が記事を読む途中で嗚咽してしまい絶句してしまったのも強烈な印象として残っている。当時から登校前にはズームインやNHKのニュースでは無く、この番組を見ており、スポーツコーナーでのいわゆる古館ロジックのフレーズの魔術師ぶりを駆使しての面白トークを見て楽しんでいたものとしては、この対比はインパクトがあった。