バラク・H・オバマとヒラリー・クリントンが小泉純一郎と田中真紀子に見えてしまう

ワン・フレーズでインパクトを与える「変人」とポエトリーな韻を踏んで聴衆の心をとらえる「アフリカ系初の大統領」、父の遺伝子を引き継ぎ、感情むき出しに官僚と痴話げんかを繰り返した「論功行賞でゲットした外務大臣(当時)」と夫以上に強かで手練手管の手法でワシントンの魑魅魍魎と戦い続けている「新任国務長官」。さらに、就任演説で「責任を果たす時代」というフレーズで米国国民に覚悟を求めた「大統領」と「痛みを伴った改革」という言葉をうまく利用した「元首相」。両方とも生理的に嫌いな「真紀子嫌い」と「ヒラリーヘイター」という層が存在すること。外見的にとらえれば、この二組は共通しているぶぶんがある。ただ、多様性と協調を求めるオバマと刃向かう奴は一刀両断という小泉純一郎とは、政治手腕が全く対照的だし、オバマは「暗殺される可能性」というものへの覚悟がやや苦悶の表情からにじみ出ているのも、小泉純一郎とは違うように思う。
でも、田中真紀子とヒラリーは政治手法も共通項があり、自分の独善的行動で外交政策を引っかき回してオバマやゲーツを困惑させ、1年後くらいに「ヒラリー更迭」という報道が出る可能性もあるかなと心配している。
実際、この二組に共通項を感じさせた根本は、小泉ワイドショー政治と同じ手法でわかりやすいところだけをとらえて報道しているマスコミュニケーションのチープな取材力から来ると思う。日本だけではなく、アメリカの報道もその帰来があるように思えてならない。