コラムの花道大賞候補・第一稿

おそらく、29日に水道橋博士が、またしてもロードレーサーで疾走しながら、または完徹で目に隈を作りながら一年間のコラムの花道を聴き、2006年のコラムの花道大賞を選考すると思う。それに先立って、自分にとってのコラムの花道大賞候補を羅列してみる。
一応、吉田豪(月曜)、町山智浩(火曜)、勝谷誠彦(水曜)、辛酸なめ子(木曜)、阿曽山大噴火(金曜)が「コラムの花道五賢人」と言っていいと思うのだが、やはり、吉田、町山、勝谷の3人が図抜けているのは周知の事実であろう。そんな中スポット参戦してきた中で、コラムの花道大賞として是非とも推したいのが、豊崎由美による「渡辺淳一、貶しプレイ(笑)『愛の流刑地』まつり」である。渡辺淳一がただのエロオヤジで頭の中はSEXと自慰だけという中二の脳しか持っていないというというのをここまで赤裸々にしたのは見事の一言に尽きる。だから、小倉智昭の土曜の朝ワイドで辛口コメントをしている渡辺淳一の頭の中は、小林はるかに対する妄想プレイしか無いという風に思わせるほど、豊崎「社長」の渡辺淳一貶しプレイは名人芸であった。後は後藤健生のワールドカップ総括も正統派では聞き応えがあった。
さて、三巨頭の中ではやはり、町山智浩は格段であった。2週にわたった「トムクルーズが狂信する新興宗教と女性関係」や「モルモン原理主義の大物の逮捕とその実体」「キリスト教原理主義をテーマにしたドキュメント映画」「アーミッシュに対する乱射事件」と今年の町山智浩はアメリカにおける宗教の闇をターゲットにした話は面白かった。そして、「なんちゃってネオコン風コメンテーターキャラを演じるコメディアンがブッシュ主催の晩餐会に招待されてしまい、一世一代のほめ殺し芸を展開」した話は、オチのもっていきかたのすごさに、アメリカマスコミの奥深さというのを見せつけた印象を残した。これを聞いてしまうと松崎菊也なんかちっぽけに見えてしまうくらいであった。ただ、アメリカマスコミのお粗末さも「カザフスタン政府が派遣したというヘンな記者に振り回される」話で紹介されてこれもまた印象に残っている。
吉田豪は、年頭の「夏生より春樹」コメントでの岡本夏生(と思われる女性タレント)へのインタビュー玉砕や、リリーフランキーに振り回されるエピソードといった、トホホレベルな話が多かった。そんな中でも萩本欽一のダークサイド部分をとらえた話や穂積隆信の「娘以上に本人も積木くずしだった」話は、吉田豪の重箱の隅をつくスタイルを生かし切った話で面白く聞いた。そして今日の西田ひかるが書いた(とされる)「町山智浩的なアメリカの話を薄っぺらく紹介する」本を紹介していたのにはツボにはまった。
勝谷誠彦は、やはりタイトルマッチ当日における、亀田一家糾弾ネタは当時としてはインパクトがあったし、この後のバッシングネタの先鋒を切ったとも言えるエポックメイキング的な内容であった。それと、この人のアジテーション的な説法が一番マッチした話が終戦記念日における「特攻隊に対して揶揄した記事を書いた『仇敵』朝日新聞」への糾弾であった。ただ、イーホームズの藤田社長ネタをここで大事のように喋っていた段階で、勝谷≒きっこという図式を公にしてしまったというミステイク?もあった。
とりあえず、水道橋博士が何を選ぶか29日が注目である。