「相撲コメンテーター」デーモン小暮のメジャーデビュー

色々な意味で、この日の大相撲中継はエポックメイキングになる事象であったように思う。
まず、NHKがデーモン小暮「閣下」という呼称で紹介し、「世を忍ぶ仮の姿」「世を忍ぶ仮の大学生」etc.というフレーズをためらいもなく、日常の言葉のように使われていたと言うことは、ある意味、「デーモン小暮」という種が万人に知らしめされているということに感心してしまった。やはり、徹頭徹尾「デーモン小暮」自身が「悪魔」という存在で露出しているという自負があってこその一種の「名人芸」である。これにひけをとらないのは「美輪明宏」という種くらいであろう。
そして、NHKの中継スタッフ、実況、解説者の方が「デーモン小暮」に出演してもらえると言うことに対して、興奮してのりまくっていたというのにも驚いてしまった。中入り後の、実況・吉田賢 解説・音羽山親方(元貴ノ浪)のやりとりも面白かったが、秀逸だったのが、BSで放送されていた、三段目・幕下中継での実況・岩佐英治 解説錦島親方(元敷島)の中継は、完全に大相撲マニアの通なかつぶっちゃけトーク満載で面白かった。元々ナンシー関の消しゴム版画を化粧まわしのデザインとし、東京スカパラのファンで、DJを趣味としている「お茶目な関取」だった錦島親方と言うこともあって、デーモン小暮とのやりとりはお手の物と言ったところであった。しかし、錦島親方を見て中西学佐々木健介にみえてしょうがなかった人は少なくないと思うのだが...おそらく、NHKもデーモン小暮と話が通ずる解説者を人選したと思う。北の富士勝昭だったらこうはいかなかっただろう。それと、インタビュールームで、放送席とつなげ、デーモン小暮と力士とのやりとりを試みたという意味でも、NHKはかなり、この中継に対し勝負をかけているのだなと思わずにはいられなかった。
で、相撲に対する博学や、相撲を愛するが故の苦言、提言、今、ここまで語れる存在は、日本ではこの悪魔より右に出るものはいないと思ったのが、一番感じたことである。やくみつるが言っていた「金髪枠での横綱審議委員入り」というのは、冗談ではなく本気でやった方が良いとも思った。
久々に、濃い内容のスポーツ中継を見たと言うところである。