日朝首脳会談

やはり、「拉致」に関する件は衝撃的であった。被害者の家族が感情的になるのは致し方ないし、外務省の情報の小出しに対する怒りの気持ちもよく分かる。ただ、周囲の人間はそれを煽ったり、妙に同情してはいけないという考えもある。
で、この「拉致」の件に関してはどうも「はじめに金正日の謝罪ありき」という風になっているが、本当にそうなのだろうか?例の「平壌宣言」に関してはそこら辺の件はふれられていないようだし、証拠となるものが無いのだから、「あれは日本政府や日本マスコミが勝手に解釈している」と向こうに言われたら元も子もないような気がしてならない。日本人特有の「なあなあ意識」が逆手に取られているのかもしれない。
そして、今回の会談で一番ホッとしているのは、アメリカであろう。今回の会談の中心となった話題が「拉致」という2カ国間の問題になり、核査察や中距離ミサイルといった安全保障問題が影の薄い存在になったのは、アメリカにとっては対岸の火事としてこの問題を見られることになり、一安心だったであろう。ここで、安全保障が全面に出てきてしまったら、ただでさえイラクのことで頭がいっぱいいっぱいなのに、北朝鮮にも関わらなくてはいけないのかとアメリカはてんてこ舞いになったであろう。とりあえず、アメリカのにらみが北朝鮮金正日に功を奏したのかもしれない